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うつ病の症状

うつ病の症状(無価値観・罪悪感)

気力がなく、何もできない自分を「価値のない人間」と思うようになり、自責感や無力感がつのっていきます。

「自分が悪い」という思い込みが強くなる

罪悪感が強くなる
何事に対しても意欲を失ってしまった自分を、「生きる価値のない人間」と思い込み、自責感を抱くようになります。また、過去の小さな失敗を何度も思い返して、悩むこともあります。このような無価値感や自責感は、妄想的になる傾向があります。
たとえば、自分のおかした小さな失敗を「とり返しのつかない大失敗をしてしまった」と過大視し、「会社を倒産に追い込んでしまう」「家族を路頭に迷わせてしまう」などと、現実からかけ離れた考えにとらわれ、そこから抜け出せなくなることがあります。
周囲から「それは思い込みだ。そこまで責任を感じる必要はない」と説得されても考えを修正できず、「みんなに迷惑をかけるから、自分はいないほうがよい」という、自己否定に行き着きます。逆に、成功したときは、「この程度のことはだれでもできる」と過小評価する傾向があります。
こうした自己評価のしかたは、責任感の強さや謙虚さの表れのように見えますが、うつ病の人の場合は、意識して卑下しているわけではなく、本心から自分は無能力だと思い込んでしまうのです。
そのほか、人から不快な思いをさせられたときや、屈辱的なことをいわれたりしたときも、「こうなるのも自分が悪いからだ」という受け止め方をします。

妄想的な思考パターン

①過剰な罪責感…ささいな失敗を「大失敗」と考える
②貧困妄想…経済的に余裕があるのに、「お金がない」「破産する」と思いこむ
③心気妄想…重病にかかっていると決め込む
④罪業妄想…みんなに迷惑をかけているから、死んでおわびをすべきだと考える

悲観的な考え方に偏っていく

悲観的な考え方に偏る
物事を悪いほうへ悪いほうへ考えるのも、うつ病の特徴です。悲観的な考えにとらわれると、自信がもてず、言動まで制限されてしまいます。たとえば、面接試験を受ける前から「きっと落とされる」 と悲観的な予測をすると、必要以上に緊張して、結果的に失敗することかあります。このような悪い予測が現実化することを、「自分で実現する予言」といいます。
自分が招いた悪い結果といえるのですが、うつ病の人は、認知のゆがみのために「もっと自信をもって臨むべきだった」とは考えられず、「やっぱり自分はダメだ。この次もどうせ失敗する」という思い込みを強めることになります。

認知のゆがみが悲観的にさせる

物事に対する見方・考え方を「認知」といいます。現実の出来事をどのように解釈するか、どの程度信じるが、その結果、どのような行動をとるがといった精神活動は、この認知によってコントロールされています。通常は、「現実」と「認知」にそれほど違いはないのですが、うつ病になると、悲観的・否定的な考え方に偏るため、現実と認知に大きなズレが生じるようになります。これを「認知のゆがみ」といいます。
悲観的・否定的な考えは、自分に対してだけでなく、周囲の人にも向けられ、「私のことなどだれも相手にしてくれないだろう」などと思うようになります。そうなると「生きていてもしかたがない」と、将来の希望も喪失してしまいます。

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